【下級裁判所事件:強盗致傷/神戸地裁4刑/平27・6・3/平26( )801】

裁判所の判断(by Bot):

(1)Dの証言及びE(以下「E」という。)の供述(検察官に対する供述調書抄本)によれば,以下の事実が認められる。
アDは,被告人が盗品の入ったショルダーバッグをDに押し付けて逃走車に近付いたため,その助手席ドアに自身の右脇腹を密着させることによって,被告人が助手席ドアを開けて逃走車に乗り込むのを防いだ。
イDは,逃走車が発進した際,被告人にしがみつきながら「あかん,あかん」と大声で言い,Dとともに被告人らを追ってきた被害店店員のEも,逃走車の速度が上がり始めた頃,逃走車の助手席窓の窓枠をつかみながら「危ない,危ない」と大声で言った。
ウDは,当初被告人の腰付近にしがみついていたが,引きずられるうちに体勢を崩し,被告人の右脚付近にしがみつく形になった後,逃走車が駐車場の出入口から公道に右折進入した頃,被告人にしがみついていた手を離し,路上に転倒した。その直後に逃走車が停止し,被告人が助手席ドアを開けて同車に乗りなおした後,同車は走り去った。
(2)DやEがあえて虚偽を述べるような理由は見当たらない。Dについては,証言時既に事件から約2年が経過しているという事情はあるものの,事実経過の基本的部分については具体的かつ明確に供述している。したがって,同人らの供述は十分信用することができる。これに対して,被告人は,逃走車の助手席窓から上半身を入れた際のDと車の位置関係や,逃走車が公道に出た後,車内に乗り込んだ方法については,
Dと異なる供述をしている。しかし,被告人自身,Dの証言を積極的に否定するわけではなく,自分の方が記憶違いをしている可能性もある旨述べるなど,曖昧な供述態度である。また,逃走車が軽四乗用自動車であることや当時の被告人の体格(身長約176センチメートル,体重100キログラム近くであったと自認している。)を踏まえると,被告人が供述するように,助(以下略)

(PDF)
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/575/085575_hanrei.pdf (裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail4?id=85575