【特許権:審決取消請求事件(行政訴訟)/知財高裁/平28・3 10/平27(行ケ)10015】原告:億光電子工業股?有限公司/被告:日 化学工業(株)

裁判所の判断(by Bot):

当裁判所は,原告の主張する取消事由はいずれも理由がなく,審決に取り消されるべき違法はないと判断する。その理由は次のとおりである。 1本件発明1の内容
本件明細書の記載によれば,本件発明1の内容は次のとおりである。本件発明1は,窒化ガリウム系化合物半導体チップの製造方法に係り,特に,サファイア基板上に一般式InXAlYGa1−X−YN(0≦X<1,0≦Y<1)で表される窒化ガリウム系化合物半導体が積層された窒化ガリウム系化合物半導体ウエハーをチップ状に切断する方法に関する(【0001】)。従来,半導体材料が積層されたウエハーから,発光デバイス用のチップに切り出す装置には一般にダイサー,またはスクライバーが使用されているが(【0003】),一般に窒化ガリウム系化合物半導体はサファイア基板の上に積層されるため,そのウエハーは六方晶系というサファイア結晶の性質上へき開性を有しておらず,スクライバーで切断することは困難であった。一方,ダイサーで切断する場合においても,窒化ガリウム系化合物半導体ウエハーは,前記したようにサファイアの上に窒化ガリウム系化合物半導体を積層したいわゆるヘテロエピタキシャル構造であり格子定数不整が大きく,また熱膨張率も異なるため,窒化ガリウム系化合物半導体がサファイア基板から剥がれやすいという問題があった。さらにサファイア,窒化ガリウム系化合物半導体両方ともモース硬度がほぼ9と非常に硬い物質であるため,切断面にクラック,チッピングが発生しやすくなり正確に切断することができなかった(【0005】)。本件発明1はこのような事情を鑑みてなされたもので,その目的とするところは,サファイアを基板とする窒化ガリウム系化合物半導体ウエハーをチップ状に分離するに際し,切断面のクラック,チッピングの発生を防止し,歩留良く,所望の形状,サイズを得(以下略)

(PDF)
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/740/085740_hanrei.pdf (裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail7?id=85740