【下級裁判所事件:退去強制令書発付処分等取消請求控訴 事件/名古屋高裁民4/平28・1・27/平27(行コ)36】(原審結果:棄却)

要旨(by裁判所):
フィリピン人女性に対する退去強制令書発付処分等の取消請求について,同女が本邦に入国後,22年9か月余りの間,平穏に定住し,不法残留罪以外の違法行為を行っていた形跡はなく,日本人男性との間で真摯な婚姻意思を形成するなど日本社会に深く根付いて生活していたことからすると,同女の異議申出に理由がないとした入国管理局長の裁決は,その生活基盤を根底から奪うもので,不法残留期間の長さのみを消極的に考慮する余り,人道的配慮に著しく欠けており,基礎となる事実の評価が明白に合理性を欠くことにより,その判断が社会通念に照らし著しく妥当性を欠くことが明らかであるから,裁量権の範囲をこえた違法性があり,また,上記裁決を前提とした退去強制令書の発付処分も違法であるとして,これらを取り消した事案

(PDF)
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/802/085802_hanrei.pdf (裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail4?id=85802