【特許権:審決取消請求事件(行政訴訟)/知財高裁/平28・4 28/平27(行ケ)10205】原告:X/被告:(株)ビートソニック

事案の概要(by Bot):
1特許庁における手続の経緯等(争いがない。)
被告は,平成20年5月26日,発明の名称を「車両用ルーフアンテナ」とする特許出願(特願2008−136177号)をし,平成23年8月12日,設定の登録を受けた(以下,この特許を「本件特許」という。)。原告は,平成26年11月21日,特許庁に対し,本件特許を無効にすることを求めて審判の請求をした。特許庁は,上記請求を無効2014−800193号事 件として審理をした結果,平成27年8月24日,「本件審判の請求は,成り立たない。」との審決をし,その謄本を,同年9月3日,原告に送達した。 2特許請求の範囲の記載
本件特許の特許請求の範囲(請求項の数は3。)の請求項1ないし3の記載は,以下のとおりである(以下,請求項1ないし3に記載された発明をそれぞれ「本件発明1」などといい,これらをまとめて「本件発明」という。また,本件特許の明細書及び図面をまとめて「本件明細書」という。甲12)。
「【請求項1】内部にコイルアンテナを配設した合成樹脂製のカバーを,車両のルーフパネルに装着するようにした車両用ルーフアンテナにおいて,前記カバーの底面開口の周縁部に形成した接合面を,両面粘着テープにより車両のルーフパネルに貼り付けて該カバーを前記ルーフパネルに装着するとともに,保持筒を前記カバーの天井部から下向きに突設し,前記コイルアンテナの下端部が,前記底面開口より上部に位置するように前記保持筒で前記コイルアンテナを保持したことを特徴とする車両用ルーフアンテナ。【請求項2】前記コイルアンテナの下端に接続するブースターアンプ又はアンテナケーブルを係止する係止突部を,前記底面開口より上部に位置するように前記カバーの内側壁部に一体成形したことを特徴とする請求項1に記載の車両用ルーフアンテナ。【請求項3】前記カバーは,車両の前方部及び天井部に(以下略)

発明の要旨(By Bot):
本件明細書によれば,本件発明は,次のとおりである(図面については,別紙本件明細書図面目録参照)。
本件発明は,内部にアンテナを配設した合成樹脂製のカバーを,車両のルーフパネルに装着するようにした車両用ルーフアンテナに関するものである(【0001】)。従来の車両用ルーフアンテナは,カバー部材の内部に配設されるアンテナやアンテナモジュール等の電子部品に対する防水対策が施されており,カバー部材の底面開口をボトムプレートで塞ぐとともに,該ボトムプレートの周囲を覆うガスケットを配置してカバー部材の密閉性を確保するようにしているが,そのためには,多くの部品が必要であるとともに,部品加工の精度を高める必要があり高価となったり,カバー部材の内部と外部の温度差に基づく気圧変化が生じ,内部気圧が低くなると隙間から雨水や洗浄水が浸入する恐れがあった。そして,一旦内部に侵入した水分
が,その防水対策のため排水されないでカバー部材内に残ると,湿度が高まって電子部品が破壊されたり,半田付け部分に錆が発生したり,アンテナケーブルが腐食したりする等の問題点が生じていた(【0002】ないし【0004】)。そこで,本件発明は,上記の問題点を解決するためになされたもので,防水対策の必要がなく構成が簡易で部品点数が少ない安価な車両用ルーフアンテナを提供することを目的とし(【0005】),内部にコイルアンテナを配設した合成樹脂製のカバーを,車両のルーフパネルに装着するようにした車両用ルーフアンテナにおいて,前記カバーの底面開口の周縁部に形成した接合面を,両面粘着テープにより車両のルーフパネルに貼り付けて該カバーを前記ルーフパネルに装着するとともに,保持筒を前記カバーの天井部から下向きに突設し,前記コイルアンテナの下端部が,前記底面開口より上部に位置するように前記保持筒で前記コイルアンテナを(以下略)

(PDF)
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/864/085864_hanrei.pdf (裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail7?id=85864