【行政事件:地位確認等請求事件/東京地裁/平27・12・14/平 27(行ウ)417】分野:行政

判示事項(by裁判所):
1平成28年施行予定の参議院議員の通常選挙について,選挙区選出議員が人口に比例して配分された法律に基づいて投票をすることができる地位にあることの確認を求める訴えが却下された事例

2内閣が参議院選挙区選出議員の選挙区間における投票価値の著しい不平等状態のもとでの選挙を実施することの差止めを求める訴えが却下された事例

3内閣が国会に対し参議院選挙区選出議員を人口に比例して配分する法律案を提出することを求める義務付けの訴えが却下された事例

要旨(by裁判所):1平成28年施行予定の参議院議員の通常選挙について,参議院選挙区選出議員の選挙区間における投票価値の著しい不平等が解消されて選挙区選出議員が人口に比例して配分された法律に基づいて投票をすることができる地位にあることの確認を求める訴えにつき,法令の適用によって終局的に解決することができる紛争を対象とするものであるということはできず,法律上の争訟には当たらないなどとして,訴えを却下した事例

2内閣が参議院選挙区選出議員の選挙区間における投票価値の著しい不平等状態のもとでの選挙を実施することの差止めを求める訴えにつき,抗告訴訟としては,差止めを求める対象が特定されていない上,公職選挙法は,参議院議員の選挙の施行に係る手続中の個々の行為の適否は,同法所定の訴訟において争わせることとし,個別的に抗告訴訟を提起することを許容していないなどとして,民衆訴訟としても,法律の定めを欠く訴訟類型が,法律上の訴訟である抗告訴訟に関する法律の規定又はその趣旨の類推により創設的に認められると解することはできず不適法であるとして,訴えを却下した事例

3内閣が国会に対し参議院選挙区選出議員を人口に比例して配分する法律案を提出することの義務付けを求める訴えにつき,抗告訴訟としては,法律案の提出は,処分に当たらないとして,また民衆訴訟としても,法律の定めを欠く訴訟類型が,法律上の訴訟である抗告訴訟に関する法律の規定又はその趣旨の類推により創設的に認められると解することはできず不適法であるとして,訴えを却下した事例

(PDF)
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/876/085876_hanrei.pdf (裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail5?id=85876