判示事項(by裁判所):
元市長に対する債権を放棄する旨の市議会における議決がその裁量権の範囲の逸脱又は濫用に当たらないとして,現市長が上記債権を放棄する旨の意思表示をしないのはその権限を濫用するものであり,市による上記債権の行使が信義則に反するとされた事例
要旨(by裁判所):地方自治法242条の2第1項4号本文の規定する訴訟において元市長に対して国家賠償法1条2項に基づいて求償金の支払を請求するように命じる旨の判決が確定したことを受けて提起された地方自治法242条の3第2項の規定する訴訟において,同訴訟係属中にされた上記求償金に係る債権を放棄する旨の市議会における議決がその裁量権の範囲の逸脱又は濫用に当たるとは認められないとして,現市長が,上記議決について同法176条の規定する再議に付する手続をとっていないにもかかわらず,元市長に対する上記債権の放棄の意思表示をしないことは,普通地方公共団体の長としての権限を濫用するものといわざるを得ず,市が元市長に対して上記債権を行使することは信義則に反するものとして許されないとされた事例
(PDF)
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/902/085902_hanrei.pdf (裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail5?id=85902