【行政事件:退去強制令書発付処分等取消請求事件/名古 地裁/平28・2・18/平26(行ウ)128】分野:行政

判示事項(by裁判所):
「技術」の在留資格で在留する者に対し,入国審査官がした出入国管理及び難民認定法24条4号イ(資格外活動)に該当する旨の認定,法務大臣から権限の委任を受けた地方入国管理局長がした同法49条1項に基づく異議の申出には理由がない旨の裁決及び主任審査官がした退去強制令書発付処分の各取消請求が,いずれも認容された事例

要旨(by裁判所):「技術」の在留資格で在留する者に対し,入国審査官がした出入国管理及び難民認定法(以下「法」という。)24条4号イ(資格外活動)に該当する旨の認定,法務大臣から権限の委任を受けた地方入国管理局長がした法49条1項に基づく異議の申出には理由がない旨の裁決及び主任審査官がした退去強制令書発付処分の各取消請求につき,「技術」の在留資格を有する外国人が法24条4号イに規定する「専ら行っている」とされるのは,当該外国人の在留資格に対応する活動と現に行っている就労活動等との関連性,当該外国人が当該就労活動等をするに至った経緯,当該外国人の認識,当該就労活動等の状況,態様,継続性,固定性等を総合的に考慮して,当該外国人の在留目的である活動が既に実質的に変更されてしまっているということができる程度にその就労活動等が行われていることを要するものと解するのが相当であり,同号イに規定する「明らかに認められる」とは,証拠資料,本人の供述,関係者の供述等から資格外活動を専ら行っていることが明白であると認められることを意味すると解されるとした上で,上記の者の在留資格に対応する活動は機械のプログラミング作業であったところ,上記の者が現に行っていた就労活動である旋盤機械の操作については,上記の者が大学で履修した科目と深い関連性を有し,上記の者は,プログラミング作業を行うための研修としてその対象機械の操作を学んだ経験を有していたほか,上記就労活動の期間は1か月未満で労働条件等も明確になっていなかったため,自己が行う業務について確定的に認識していなかったなどの事情の下では,上記の者の在留目的である活動が既に実質的に変更されてしまっているということができる程度に就労を行っていると評価することは困難であり,上記の者が資格外活動を「専ら行っている」ことが「明らかに認められる」ということはできないから,上記認定は取消しを免れず,上記裁決及び上記退去強制令書発付処分のいずれも取り消されるべきであるとして,上記各請求をいずれも認容した事例

(PDF)
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/994/085994_hanrei.pdf (裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail5?id=85994