【下級裁判所事件:爆発物取締罰則違反,建造物損壊/神 地裁2刑/平28・5・17/平27(わ)881】

主文(by Bot):
被告人を懲役11年に処する。未決勾留日数中170日をその刑に算入する。訴訟費用は被告人の負担とする。
理由
【犯罪事実】
被告人は,暴力団A会B会C組の組長であったが,配下組員と指定暴力団D組E組配下のF組の組員との間で金銭的なトラブルが生じたことから,E組の本部事務所を訪れてF組の組長と話をさせるように求めるなどしていたが,事態は思うように進展しなかった。そこで,被告人は,E組に危害を加えようと考え,治安を妨げ,かつ,人の身体,財産を害する目的で,平成22年11月1日午前2時25分頃,神戸市a区b町c番d号の上記E組本部事務所先路上において,爆発物である手りゅう弾を使用して爆発させ,同区b町e番f号所在のGほか1名が所有する3階建て住宅の北側壁面等を破壊した(損害額9万4500円相当)。 【証拠】
(略)
【争点に関する判断】
第1 争点
本件の争点は,被告人が犯人かということである。
第2 判断
1 Hは,平成22年11月1日の早朝,被告人に電話で呼び出され,「E組の本部事務所に手りゅう弾を投げてきた」と言われたと証言する。このような印象深い出来事について,聞き間違いや記憶違いということは考えにくい。加えて,Hが証言する被告人の発言は,単に手りゅう弾を投げてきたというだけではなく,それに関連してB会の幹部構成員と事後処理について会話をしたといったことを含む詳細なものであって,聞き間違いや記憶違いの可能性はないといえる。そうすると,仮にHの証言が真実に反するものであるとすれば,あえて嘘の証言をしているということになる。しかし,Hは,被告人と親しく,一緒に仕事をすることもあり,被告人がE組の事務所に出向いた時にはこれに同行し,その後もF組の組長と連絡を取るために尽力するなど,被告人の行動に協力していたし,本件犯行の後,別件の覚せい剤事犯で指名手配中の被告人のために隠れ家とな(以下略)

(PDF)
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/025/086025_hanrei.pdf (裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail4?id=86025