【特許権:審決取消請求事件(行政訴訟)/知財高裁/平28・9 20/平27(行ケ)10242】原告:(株)イトウ/被告:Y

裁判所の判断(by Bot):

1取消事由1(無効理由1についての認定及び判断の誤り)について
(1)取消事由1−1(本件発明1の要旨認定の誤り)について
ア(ア)法29条1項及び2項所定の特許要件,すなわち,特許出願に係る発明の新規性及び進歩性について審理するに当たっては,この発明を同条1項各号所定の発明と対比する前提として,特許出願に係る発明の要旨が認定されなければならないところ,この要旨認定は,特段の事情のない限り,特許請求の範囲の記載に基づいてされるべきであり,特許請求の範囲の記載の技術的意義を一義的に明確に理解することができないとか,一見してその記載が誤記であることが明細書の発明の詳細な説明の記載に照らして明らかであるなどの特段の事情がある場合に限って,明細書の発明の詳細な説明の記載を参酌することが許されるにすぎない(リパーゼ事件判決)。本件において,本件発明1の「延伸可能でその延伸後にも弾性的な伸縮性を有する」合成樹脂(以下「本件構成」という。)が「延伸が可能で延伸をした後においても弾性的な伸縮性(との性質)を有する」ものであることは,特許請求の範囲の記載から明らかである。もっとも,同記載によれば,「二重瞼形成用テープ」である本件発明1において,本件構成に係る合成樹脂が「延伸可能」との性質を有することがいかなる技術的意義を有するのかについては,必ずしも特定することはできない。すなわち,本件構成に係る合成樹脂が「延伸」することが「二重瞼形成」に関係するのかしないのか,いかなる形で関係するのかといった点は,本件発明1の特許請求の範囲の記載から一義的に明確に理解することはできない。そうである以上,本件構成の技術的意義の理解に当たり本件明細書の発明の詳細な説明の記載を参酌することは許されるというべきである。 (イ)これに対し,原告らは,本件審決ではリパーゼ事件判決にいう(以下略)

(PDF)
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/154/086154_hanrei.pdf (裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail7?id=86154