【特許権:審決取消請求事件(行政訴訟)/知財高裁/平28・9 29/平27(行ケ)10184】原告:X?/被告:ペガサス・キャンドル(株)

事案の概要(by Bot):
1 特許庁における手続の経緯(認定事実には証拠を付した。)
被告は,平成18年6月7日,発明の名称を「ローソク」とする特許出願(以下「本件出願」という。)をし,平成23年5月13日付け手続補正書(甲15)により,特許請求の範囲及び明細書についての補正を行い,さらに,同年10月21日,特許請求の範囲及び明細書についての補正を行い,平成24年4月13日,設定登録(特許第4968605号。請求項の数は2)を受けた(甲10。以下「本件特許」という。)。
これに対して,原告らは,平成24年11月29日,特許庁に対し,本件特許を無効とすることを求めて無効審判(無効2012−800197号)の請求をしたところ(甲25),被告は,平成25年9月20日,特許請求の範囲及び明細書についての訂正請求をした(甲14)。特許庁は,平成26年5月9日,上記請求のとおり訂正を認めた上,本件審判の請求は成り立たない旨の審決(甲26)をした。これに対し,原告らは,同年6月12日,知的財産高等裁判所に対し,審決取消訴訟(平成26年(行ケ)第10145号)を提起した。知的財産高等裁判所は,平成 27年3月25日,上記審決を取り消す旨の判決をし(甲27),その後当該判決は確定した。
上記判決を踏まえ,被告は,平成27年5月19日,特許庁に対し,特許請求の範囲及び明細書についての訂正請求(以下,当該訂正事項を併せて「本件訂正」という。)をした(甲28)。特許庁は,平成27年8月6日,上記請求のとおり訂正を認めた上,本件審判の請求は成り立たない旨の審決をした。これに対し,原告らは,同年9月12日,知的財産高等裁判所に対し,本件審決取消訴訟を提起した。

発明の要旨(By Bot):
本件訂正明細書によれば,本件発明1の内容は,次のとおりである。
ア 従来,ワックスで被覆された燃焼芯を有するローソクの点火には,ワックスの加熱,溶融,気化の各工程を経る必要があり,燃焼芯への点火に通常3ないし5秒間かかることは避けられないため,例えば「ウォーマーキャンドル」のような比較的多くのワックスが被覆されているローソクでは,一層点火時間が長くなるなどの問題(本件訂正明細書【0004】)があった。本件発明は,この問題を解決することを課題(【0004】)とし,ローソク本体から突出した燃焼芯の先端から少なくとも3mmの先端部に被覆されたワックスにつき,「ワックスの残存率」([ワックス除去処理後の先端部のワックスの単位長さあたりの被覆量]/[ワックス除去処理後の先端部以外の部分のワックスの単位長さあたりの被覆量]という計算式で算出される割合をいう。)が19%ないし33%となるように,こそぎ落とし又は溶融除去することによって燃焼芯を露出させるとともに,燃焼芯の先端部に3秒以内で点火されるように構成することを特徴とするローソクを提供するものである(【0005】)。
イ 上記構成を採用することにより,本件発明のローソクは,燃焼芯に被覆されたワックスを燃焼芯の先端部より除去し燃焼芯を露出させるという簡便安価な対応で,格段に点火時間を短縮させることができる効果(【0006】)を奏するものである。

(PDF)
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/180/086180_hanrei.pdf (裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail7?id=86180