【特許権:審決取消請求事件(行政訴訟)/知財高裁/平29・2 22/平27(行ケ)10231】原告:(株)エヌ・エル・エー/被告:(株)東 新薬

理由の要旨(by Bot):

本件審決の理由は,別紙審決書(写し)記載のとおりであるが,その要旨は,次のとおりである。
(1)原告が主張した無効理由
ア無効理由1(進歩性欠如)
本件発明は,次の甲1ないし甲7に記載された発明に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものである。したがって,本件発明は,特許法29条2項の規定により,特許を受けることができないものであり,本件発明についての特許は,同法123条1項2号により無効とされるべきである。甲1特開2009−67731号公報甲2特開2011−236133号公報甲3特開2001−316259号公報甲4特開2009−46438号公報甲5特開2009−1513号公報甲6高橋誠「食品素材の『ナノサイズ』カプセル化技術の開発」オレオサイエンス第8巻第4号(2008年)151〜157頁甲7「食品の機能性を評価するために」JFRLニュース第3巻第9号(2009年)1〜4頁 イ無効理由2(実施可能要件違反)
本件明細書の実施例1及び2には,本件発明1に係る「パーム油(ナタネ油)でコートした黒ショウガの根茎の乾燥粉末(黒ショウガ原末)」の具体的な製造方法や原料の入手方法,すなわち,具体的にどのような大きさ(粒径)の黒ショウガ原末(芯材)に対し,どのような手法を用い,どのような条件で,パーム油(ナタネ油)コートをおこなったかについての記載がないため,当業者は,技術常識を考慮しても,当該パーム油(ナタ
4ネ油)でコートされた黒ショウガ原末をどのように製造するかについて理解することができない。したがって,発明の詳細な説明は,当業者が本件発明1を実施若しくは追試できる程度に明確かつ十分に記載されているとはいえず,実施可能要件を満たしていない(本件発明1に「経口用である」との限定を有する本件発明2についても同様である。)から,本件発明についての特許は(以下略)

(PDF)
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/535/086535_hanrei.pdf (裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail7?id=86535