【下級裁判所事件:薬事法違反被告事件/福岡高裁1刑/平28 6・24/平28(う)181】結果:棄却

概要(by Bot):
本件は,被告人が自宅で指定薬物を含有する本件植物片約1.467グラムを所持したという当時の薬事法(平成25年法律第84号による改正前のもの)違反の事案である。被告人は,本件植物片の害悪が分かっていながら,本件犯行に及んだのであって,違法薬物に対する親和性や依存性がうかがえる。被告人は,平成15年11月に窃盗罪で懲役1年6月,執行猶予3年に処せられ,その執行猶予期間は満了したものの,平成24年7月には傷害罪で懲役1年,執行猶予4年に処せられ,社会内での更生の機会を再び与えられながら,その判決から2年余りの執行猶予期間内に本件犯行に及んでいる。その刑事責任を軽くみることはできない。そうすると,被告人が,本件犯行後は,暴力団関係者や薬物関係者との関係を断ち,名古屋で新生活を始めて真面目に生活していたこと,本件で約半年にわたって勾留されて事実上の制裁を受けていることなど,所論が被告人のために酌むべき事情として主張する点を併せて検討しても,原判決の量刑はやむを得ないものであって,これが重過ぎて不当であるということはできない。 論旨は理由がない。
3結語
よって,刑訴法396条,刑法21条,刑訴法181条1項ただし書により,主文のとおり判決する。

(PDF)
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/562/086562_hanrei.pdf (裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail4?id=86562