【下級裁判所事件:殺人銃砲刀剣類所持等取締法違反/大 地裁刑事部/平28・8・1/平27(わ)270】

罪となるべき事実(by Bot):
第1 被告人は,大分市ab番地ケアホームAの居室において生活していたが,平成27年8月14日の朝,同じ入居者のBが血圧測定等を拒否したのに対し,Bに杖を突きつけてたしなめるなどしたことで,同人とトラブルになった。Bは,同日午後5時58分頃から同日午後6時58分頃までの間に,被告人の居室に行き,ベッドで横になっていた被告人の顔面を数回殴打し,その鼻の左側に怪我を負わせた後,被告人に対して「来い。」と言って,廊下を挟んで向かいの自室に戻った。被告人は,再び被害者から殴られないようにするため,包丁を見せて脅し付けようと考え,サイドテーブルに置いてあった包丁の鞘を外し,これを持ってBの居室に向かった。被告人は,その頃,前記ケアホームAのBの居室である「C」において,Bが被告人に飛び掛かり,左手で被告人の首の下部付近を押すようにして扉に押し付けたのに対し,自己の身体を防衛するため,防衛の程度を超え,B(当時80歳)に対し,右手に持っていた刃体の長さ約17.1cmの前記包丁(平成28年押第1号符号1)で,その頭部及び顔面を切り付けるなどし,よって,同人に対し,前頭部切創,右眼窩上部切創,頤部切創等の傷害を負わせ,さらに,同人が死亡するに至るかもしれないことを認識しながら,あえて,前記包丁でその左側胸部を突き 刺し,よって,その頃,同所において,同人を左心室損傷による失血により死亡させて殺害した。
第2 被告人は,業務その他正当な理由による場合でないのに,同日午後5時58分頃から同日午後6時58分頃までの間に,前記ケアホームAのBの居室である「C」において,前記包丁1本を携帯した。

(PDF)
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/585/086585_hanrei.pdf (裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail4?id=86585