【特許権:審決取消請求事件(行政訴訟)/知財高裁/平29・4 12/平28(行ケ)10059】原告:(株)マキタ/被告:日立工機(株)

理由の要旨(by Bot):

本件審決の理由は,別紙審決書(写し)記載のとおりであり,その概要は,特許発明1,2及び9に係る特許は,特許法(以下「法」という。)29条の2に違反してされたものであり,法123条1項2号に該当し,無効とすべきものであり,また,以下のとおり,特許発明3〜8及び10に係る特許を無効とすることはできない,というものである(以下では,原告主張の取消事由と関連する部分のみに言及する。)。 (1)無効理由1の1(明確性要件)について
ア原告の主張する無効理由1の1は,特許発明1の構成要件C−2における「前記回路基板の少なくとも一部は,前記ファンの回転軸に直交する方向を径方向としたとき,前記ファンの径方向外側に配置され」という記載のうちの「ファンの径方向外側」という記載により特定される範囲が明確でないから,本件特許発明に係る特許は,法36条6項2号の要件を満たしていない特許出願に対してされたものであり,法123条1項4号に該当し,無効とすべきものである,というものである。
イ特許発明1の構成要件C−2の記載は,「前記回路基板の少なくとも一部は,前記ファンの回転軸に直交する方向を径方向としたとき,前記ファンの径方向外側に配置され」たものであることを前提として,「回路基板」の「配置され」る位置を特定するものである。したがって,「前記ファンの径方向外側」との記載は,単に方向を示すものではなく,基板が配置されるべき位置や範囲を特定しようとするものである。また,「前記ファンの回転軸に直交する方向を径方向としたとき」との記載によって「径方向」という用語が定義されているところ,「ファンの回転軸」は,軸方向の両端部を有する有限の長さのものであるから,当該「径方向」という用語も,単に方向を特定するだけでなく,その範囲を軸方向の両端部の間に特定しているといえる。そして,当該用語の(以下略)

(PDF)
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/762/086762_hanrei.pdf (裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail7?id=86762