【行政事件:損害賠償請求控訴事件(原審・大阪地方裁判 所平成26年(行ウ)第118号)/大阪高裁/平28・10・14/平28(行コ)130 】分野:行政

判示事項(by裁判所):
東日本大震災により発生した災害廃棄物の処理施設の整備事業を対象とする補助金の交付が違法であるとはいえないとされた事例

要旨(by裁判所):環境省が,東日本大震災により大量に発生した災害廃棄物の処理能力の増強及び広域処理を促進するため,「災害廃棄物の受入条件の検討や被災地とのマッチングを実施したものの,結果として災害廃棄物を受け入れることができなかった場合であっても返還を要しない」との方針の下,災害廃棄物の受入れの可能性がある処理施設の整備事業を対象として交付することとしていた補助金を,災害廃棄物の受入れの可否を検討するにとどまり,上記方針にいう「災害廃棄物の受入条件の検討」を行わず,結果として災害廃棄物を受け入れなかった堺市に対して交付したことは,災害廃棄物が放射性物質により汚染されているとの懸念からその処理が進まない状況の下で上記補助金の利用を容易にし災害廃棄物の広域処理を促進するため上記のような交付方針が定められたことなど判示の事情の下では,違法であるということはできない。

(PDF)
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/948/086948_hanrei.pdf (裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail5?id=86948