【下級裁判所事件:大麻取締法違反,窃盗被告事件/福岡 裁久留米支部/平29・10・26/平29(わ)169】

罪となるべき事実(by Bot):
被告人は,第1平成29年7月29日,福岡市a区bc丁目d番e号福岡県A警察署1階証拠品倉庫において,同警察署署長B管理に係る大麻約4.407グラムを窃取し,第2みだりに,同日,福岡市f区gh丁目i番j号の九州旅客鉄道株式会社C駅において,上記大麻約4.407グラムを所持したものである。 (量刑の理由)
本件は,警察署で証拠品の管理を担当していた警部補である被告人が,気分が落ち込んだときに大麻を使用したいなどと考え,被疑者不詳の大麻栽培事件で押収された証拠品として証拠品倉庫で保管されていた大麻草の株から,密かに,ハサミを用いて一部の葉を切り取るなどして判示第1の大麻の窃盗に及び,盗んだ大麻をバッグに入れて電車で持ち帰ろうとして,JRC駅で大麻を所持して判示第2の犯行に及んだが,電車から降りる際にバッグごと大麻を電車内に置き忘れてしまい,落とし物としてバッグが発見され,検挙されるに至った事案である。本件犯行は,市民の警察に対する信頼を失墜させるものであり,その社会的影響は大きい。また,証拠品に,警察官が密かに手を加えるような事態は刑事司法上も許容することができない。被告人は,現職の警部補として,法律を守り,犯罪を取り締まる立場にあり,総務課のいわゆる証拠品係の係長として,きちんと証拠品を管理することを期待されながら,その職責に反し,証拠品に手を加えて大麻を盗み出したものであり,厳しい社会的非難を免れない。被告人は,以前からうつ傾向があり,警部補に昇任した後,平成20年に高速道路で速度違反をして処分を受けるなどして心理的に耐えきれなくなり,うつ病で同年11月頃から3か月間病気休暇を取り,職場復帰したが,平成25年にうつ病が再発し,約1か月間入院し,再度職場復帰したが,その後も服薬治療を続けていた。被告人は,職場復帰後も気分が落ち込むことがあり,本(以下略)

(PDF)
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/211/087211_hanrei.pdf (裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail4?id=87211