【下級裁判所事件:業務上過失傷害/福岡地裁小倉支部/平2 9・12・20/平29(わ)88】

罪となるべき事実(by Bot):
被告人は,「A」の名称で固定の店舗及び露店で唐揚げ店を営み,平成28年7月24日に開催された「a祇園大山笠」の際に出店した唐揚げ店の店主として,揚げ物調理用のガスフライヤーを用いた鶏肉の唐揚げの調理・販売等の業務に従事していたものであるが,同日午後8時59分頃,北九州市a区bc丁目d番e号スナック「B」前歩道上において,前記唐揚げ店の営業を終え,調理に用いた高温の油が入った状態のガスフライヤーを台車に載せて撤去するに当たり,前記ガスフライヤーは四隅に備えられた四本の脚部で支えられる形態で,その脚部の横幅と台車の横幅の長さが近似していた上,前記ガスフライヤーには未だ高温の油が入っており,かつ,同所付近には多数の祭り見物客等が存在していたため,高温の油が入った状態で前記ガスフライヤーを前記台車に載せて撤去しようとすれば,前記ガスフライヤーの脚部が台車から外れるなどして転倒し,前記ガスフライヤー内の高温の油が飛散して周囲の祭り見物客等にかかりその身体に重大な危険を及ぼすことが予測できたのであるから,かかる場合には,高温の油が入った状態で前記ガスフライヤーを用意した前記台車に載せて撤去するのは差し控えるべき業務上の注意義務があるのにこれを怠り,漫然,前記「A」の従業員Cを指揮して同人と共に高温の油が入った状態で前記ガスフライヤーを持ち上げ前記台車上に運搬した過失により,前記ガスフライヤーを転倒させて前記ガスフライヤー内の高温の油を周囲に飛散させ,周囲にいた別表(注:省略)記載の被害者ら9名にその油を浴びせ,よって,同人らに同表(注:省略)「傷害内容」・「加療期間」欄記載の各傷害をそれぞれ負わせた。

(PDF)
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/375/087375_hanrei.pdf (裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail4?id=87375