【下級裁判所事件/佐賀地裁/平29・11・20/平28(わ)220】

罪となるべき事実(by Bot):
被告人は,平成6年以降,両下肢の機能が全廃した妻の介護をしてきたが,同21年10月に大阪の施設に入居した頃から同人の精神状態が不安定になっていき,同25年には同人が老年期精神病(妄想状態)と診断された。このような中で被告人は妻の病状や言動が原因で大阪の施設を転々とすることを余儀なくされた上,同人から叱責を受けるなどして,精神的に追い込まれていった。同28年8月29日,妻の希望を受け入れ,以前生活していた佐賀県鹿島市に戻り,自宅での介護を始めたが,その後,同人の言動が原因でショートステイの施設から受け入れに難色を示され,自分が怪我をしたことなどで,自らの前途を悲観すると共に,介護を続ける自信を急速に失くし,同人を介護できるのは自分しかいないのにこれが出来ないなどと思い悩み,同人と心中しようと考えた。被告人は,同年9月8日午前2時頃,同市大字ab番地cの被告人方において,妻(当時71歳)に対し,殺意をもって,その頸部に延長コードを巻いて締め付け,よって,その頃,同所において,同人を絞頸による窒息により死亡させて殺害したものである。

(PDF)
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/406/087406_hanrei.pdf (裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail4?id=87406