【下級裁判所事件:動物の愛護及び管理に関する法律違反 被告事件/東京地裁刑15/平29・12・12/平29特(わ)1985】

概要(by Bot):
本件は,愛護動物である猫9匹を殺害し,4匹に傷害を負わせた事案である。捕獲器で捕まえた猫に,熱湯を繰り返し浴びせかけたり,ガストーチの炎であぶったり,パイプに取り付けたロープでその首をつるし,熱湯を満たした缶に漬けたりするといった態様で,猫を殺害し,あるいは重傷を負わせるなどしており,その犯行態様は,誠に残虐なものである。1年余りの間に合計13匹の猫に虐待を加えており,本件が常習的犯行であることも認められる。本件によって,多くの猫の命が奪われるなどしたという結果の重さにとどまらず,被告人は,犯行を撮影した動画をインターネット上に投稿したため,その凄惨な映像を見て強い嫌悪感や憤りを覚えた者らから,被告人の厳罰を求める非常に多数の嘆願書が裁判所に提出されるなど,本件が社会に与えた影響も大きいものがある。被告人は,かつて猫の糞尿被害に遭ったことや,税理士としての繁忙期に手をかまれて仕事に支障を来したことで猫に対して悪感情を抱き,インターネット上で見た残虐な映像に感化され,駆除のために本件に至った旨述べる。しかし,駆除行為とはいえないような虐待を当初から行っている上,被告人自身も公判廷で認めるように,犯行を繰り返すうちに,虐待行為自体に楽しみを覚えるとともに,その様子を撮影した動画をインターネット上で公開することが目的化したというのであって,本件各犯行を正当化する余地はない。本件各犯行は,動物愛護の精神に反する悪質なものであり,被告人に対しては,懲役刑を科すべきである。その一方で,被告人は,これまでA職員や税理士として前科もなく生活してきたところ,自らの行為が招いた結果ではあるが,本件が広く報道され,被告人を批判する声が多数挙がるなどして,税理士を廃業するに至った。それにとどまらず,勤務先の税理士事務所や被告人の家族に嫌がらせをされ,インターネット上に被告(以下略)

(PDF)
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/409/087409_hanrei.pdf (裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail4?id=87409