【下級裁判所事件:臍帯血移植事件/松山地裁/平29・12・14/ 平29(わ)311】

罪となるべき事実(by Bot):
被告人は,臍帯血の保管等を業とする株式会社アの代表取締役及び臍帯血販売等を業とする株式会社イの代表取締役(平成27年7月10日以前は実質経営者)として,両社の業務全般を統括管理しているものであるが,
第1【平成29年10月5日付け起訴状公訴事実第1】平成26年12月27日,茨城県ab番地所在の当時の前記ア事務所において,長男の臍帯血の保管を前記アに委託していたA(当時38歳)に対し,真実は提供を受けた臍帯血は研究目的に使用せず,前記イにおいて中間業者を介して医療機関に高額で販売する意思であるのにその情を秘し,「臍帯血を研究に使わせていただきたい。」などとうそを言い,さらに,「提供した臍帯血は,再生医療の発展を目指した研究に使用される」旨記載した臍帯血提供同意書を交付して閲読させ,前記Aをしてその旨誤信させ,よって,同月29日,前記Aをして,署名押印した前記臍帯血提供同意書及び臍帯血保管委託基本契約解除通知書を前記ア宛てに郵送させ,その頃,同所に到達させて,その長男の臍帯血1個(販売価格80万円相当)の所有権を前記アに無償で譲渡させ,もって人を欺いて財産上不法の利益を得た
第2【平成29年10月5日付け起訴状公訴事実第2】平成27年2月9日,長男及び二男の臍帯血の保管を前記アに委託していたB(当時56歳)が,前記ア事務所に電話をかけて保管委託契約の解約の申込みをした際,前記Bに対し,真実は提供を受けた臍帯血は研究目的に使用せず,前記イにおいて中間業者を介して医療機関に高額で販売する意思であるのにその情を秘し,電話で,「臍帯血を研究開発のために使わせてもらえませんか。再生医療の発展のために臍帯血を使わせてもらえませんか。」などとうそを言い,さらに,その頃,「提供した臍帯血は,再生医療の発展を目指した研究に使用される」旨記載した臍帯血提供同意書を(以下略)

(PDF)
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/509/087509_hanrei.pdf (裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail4?id=87509