判断の要旨(by Bot):
1本件事故の状況,直接的な原因及びその前提事実について
原判決は,原審証拠によれば,平成18年6月3日午後7時20分頃,5号機のかご及び乗降口の各扉が開いたままかごが上昇し,乗降口扉から降りようとしていたBの体がかごの床面と乗降口の外枠に挟まれるという本件事故が発生し,Bが死亡したこと,本件事故の直接的な原因が,5号機のソレノイドのコイルに層間短絡が生じ,ソレノイドの推力が低下したことなどで,ブレーキアームが十分に開かなくなり,回転するブレーキドラムとライニングが摩擦してライニングが摩耗するという現象(以下「異常摩耗」という)が発生して進行したため,プランジャーストロークが限界値に達し,ブレーキ保持力が失われたことにあることが認められるとした。その上で,原判決が更に原審証拠により認められるとした本件事故に関する事実の要点は,以下のとおりである。 A社及び被告人について
A社は,昭和60年12月,スイス連邦に本部を置くQの日本法人として設立された。被告人は,平成6年3月,A社に入社し,平成16年1月から平成17年11月まで,東京支社保守部保守第2課長として,東京都港区等の区域におけるエレベーターの保守点検業務の責任者を務めていた。 5号機の設置及び保守点検の経過等について
ハイツOは,地上23階,地下2階の建物の9階から23階までにある賃貸住宅
であり,地上1階から8階までにあるRセンターに併設されていた。Rセンター内には,1号機から3号機(以下,それぞれ「1号機」「2号機」「3号機」という)までのエレベーター3機が設置され,また,ハイツOの居住者専用入口側には,居住者用として,2階ないし8階には停止しない4号機(以下「4号機」という)及び5号機のエレベーターが隣接して設置されており,これらのエレベーター5機は,A社製造に係るロー(以下略)
(PDF)
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/516/087516_hanrei.pdf (裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail4?id=87516