事案の概要(by Bot):
本件は,原告らが(1)のとおり主張し,(2)の請求を行う事案である。
(1)原告らが主張する経緯等
ア原告Dは,原告A(昭和○○年○○月○○日生)の母である。原告Dは夫(婚姻関係にある配偶者としての夫をいう。以下同じ。)から継続的に暴力を振るわれ,離婚の手続を取ることができないまま別居し,夫との婚姻継続中,原告Aの生物学上の父と交際し,原告Aを懐胎し出産した。原告Dは,夫に原告Aの存在を知られることを恐れ,その出生届を提出すること
ができなかった。原告Aの実父が提出した原告Aの出生届は,夫の嫡出推定が及ぶことを理由に不受理とされた。原告D及び原告Aは,妻や子に夫に対する嫡出否認の訴えの提起が法律上認められていないことから,このような事態に対処し得なかった。その結果,原告Aは無戸籍となった。
イ原告B(平成○○年○○月○○日生)及び原告C(平成○○年○○月○○日生)は,原告Aの子である。原告B及び原告Cは,母である原告Aに戸籍がないため,その戸籍に入ることができず,原告Aと同様に無戸籍となった。
ウ民法774条〜776条(以下「本件各規定」という。)は,父(夫)にのみ嫡出否認の訴えの提訴権を認めることによって,合理的な理由なく,父と子及び夫と妻との間で別(憲法14条1項)に該当し,同項及び憲法24条2項に違反していることが明らかである。それにもかかわらず,国会(国会議員)は本件各規定の改正を怠っており,その立法不作為は,国家賠償法上違法である。 (2)請求
原告らは,被告に対し,国家賠償法1条1項に基づき,精神的損害に対する慰謝料及び弁護士費用として,それぞれ,次の各金員の支払を求める。 ア原告A 55万円及びこれに対する昭和○○年○○月○○日(原告Aの出生日)から支払済みまで年5分の割合による遅延損害金
イ原告B 55万円及びこれに対する平成○○年○○月(以下略)
(PDF)
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/527/087527_hanrei.pdf (裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail4?id=87527