【下級裁判所事件:損害賠償請求控訴事件/福岡高裁1民/平 30・2・1/平29(ネ)507】

事案の要旨(by Bot):
本件は,D高等学校(D高校)の1年生であった一審原告Aが,平成23年3月11日,D高校で開催された武道大会(本件大会)における柔道の試合において,試合中に左側頭部から畳に衝突し,頸髄損傷及び頸椎脱臼骨折の傷害を負い,重度四肢麻痺等の身体障害者等級表による等級1級の後遺障害を残した事故(本件事故)について,一審原告らが,D高校を設置する一審被告に対し,一審原告らは,公権力の行使に当たるD高校の教諭らには,生徒に対する柔道の指導にあたり,その練習や試合によって生ずるおそれのある危険から生徒を保護するため,常に安全面に十分な配慮をし,事故の発生を未然に防止すべき注意義務(安全配慮義務)があるところ,柔道固有の危険性を看過し,試合形式による武道大会を漫然と開催し,生徒に対して柔道の危険性や安全な技のかけ方に関する具体的な指導を怠り,武道大会のルールを規律して危険な技を制限するなどの措置を講じるのを怠り,試合に際して危険性の高い行為が行われた場合に備えて直ちに試合を制止する態勢を構築することを怠ったことによって本件事故を発生させたと主張して,国家賠償法1条1項に基づき,それぞれ次のとおりの支払を請求する(請求1)。 ア一審原告A
治療費,付添費,将来介護費,通院交通費,家屋等改造費,逸失利益,慰謝料,弁護士費用等の損害賠償金2億6254万1671円及びこれに 対する本件事故日である平成23年3月11日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金
イ一審原告Aの父である一審原告B及び母である一審原告C
本件事故による固有の慰謝料等として,一審原告Bについて,333万8731円及び一審原告Cについて300万円並びにこれらに対する上記アと同じ遅延損害金 一審原告らは,柔道の授業を実施すれば不可避的に死亡ないし傷害事故が発生するところ,一審被告はそれを知り(以下略)

(PDF)
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/538/087538_hanrei.pdf (裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail4?id=87538