主文(by Bot):
被告人を懲役3年に処する。未決勾留日数中50日をその刑に算入する。この裁判確定の日から4年間その刑の執行を猶予する。被告人をその猶予の期間中保護観察に付する。押収してあるライター1個を没収する。
理由
【犯罪事実】
被告人は,妄想性人格障害や適応障害の影響もあって,夫の言動に対する不満や憎しみを募らせていたところ,平成24年5月23日ころから,気分が落ち込むようになったが,それを夫が気遣ってくれなかったと感じ,さらに憎しみを強めた。被告人は,そのような自分の気持ちを分からせるために,同月30日午前10時15分ころ,夫が所有し,被告人と夫が住んでいる,高知市所在の木造アパート(床面積76平方メートル。以下「本件家屋」という。)1階玄関南側廊下において,プラスチックごみを詰めたビニール袋を同廊下床上に置いたうえ,これにライターで点火して火を放ち,その火を同廊下床板等に燃え移らせて同家屋を焼損しようとしたが,火災の発生に気付いた隣人及び消防士らに消火されたため,その目的を遂げなかったものである。
【証拠の標目】(省略)
【法令の適用】(省略)
【自首の主張について】弁護人は,被告人に自首が成立すると主張するので検討する。まず,捜査機関は,本件犯行による火災が鎮火した後,本件家屋内の2か所に,床の炭化や新聞紙の束の焼損が認められたこと,これら2か所の直近に火元が存在しなかったことから,上記火災が何者かの放火によるものであると判断していたのであるから,遅くとも被告人が警察署に出頭した平成24年5月30日午後6時2
5分の時点までには,合理的な根拠に基づいて,上記火災が何者かの放火によるものであると判断していたものと認められる。次に,捜査機関は,焼損箇所がいずれも本件家屋内であること,本件家屋で唯一施錠されていなかった車庫奥の出入口から被告人と夫以外の第三者が侵入し,放火した(以下略)
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20121217125808.pdf
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