【下級裁判所事件:収賄被告事件/奈良地裁葛城支部/平30 2・1/平29(わ)45】

裁判所の判断(by Bot):

1判示第1の事実について関係証拠によれば,次の事実が認められる。A町は,かねてCから,町立保育園でCに運営を委託していたB保育園の増改築を要望されていたところ,その費用負担の軽減を図るため,同保育園をCに移管して民営化を図り,国の保育所緊急整備事業に基づく奈良県安心こども基金特別対策事業補助金の制度を利用しようとした。前記補助金の制度は,平成25年4月頃に補助金の負担率が変更されるまでは,上限を3億円とし,国および県がその2分の1,市町村が4分の1,保育所を運営する社会福祉法人が4分の1の負担割合であったところ,A町では,被告人が副町長に就任した平成23年4月頃から,E住民福祉部長やF健康福祉課長らがCのG事務長と費用負担の交渉をしていたが,G事務長がDの意向を受けて増改築費用の半額をA町が負担するよう強く要求していたため,折り合いがつかなかった。平成23年11月4日頃,CがB保育園の増改築費用を5億円に抑えることは納得したものの,依然として増改築費用の半額の2億5000万円をA町が負担するよう要求したことから,E部長やF課長は,被告人と相談しその了承を得て,総事業費の5億円から,前記制度に基づく国・県やA町の補助金額をA町とCが折半し,A町が補助金額の7500万円と折半した1億3750万円の合計2億1250万円を負担することを決め,Cに提案したが,Cはこの提案も拒否した。そこで,被告人は,平成23年11月11日頃,Dと直接会って交渉し,CがA町に負担を求める2億5000万円とA町が提案した負担額2億1250万円とのその半額の2000万円程度をA町でさらに負担するようDから求められた。そこで,被告人は,この要求をE部長やF課長に伝え,これを踏まえてCと交渉するよう指示したところ,E部長やF課長は,同月15日頃,CのG事務長と協議し(以下略)

(PDF)
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/560/087560_hanrei.pdf (裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail4?id=87560