【知財:邸宅侵入,公然わいせつ被告事件/最/平30・5・10/ 29(あ)882】

裁判所の判断(by Bot):

しかしながら,原判決の上記判断は是認することができない。その理由は,以下のとおりである。
1第1審判決及び原判決の認定並びに記録によると,本件の事実関係は,以下のとおりである。
(1)犯人は,帰宅した住人に追従して,オートロック式の出入口から本件マンションに侵入し,自己の陰茎を露出して手淫しながら,1階通路から階段で2階通路に上がり,上記住人方の玄関前まで後を追った。上記住人は,手淫している犯人に気が付き,玄関ドアを閉めて,110番通報した。間もなく臨場した警察官が現場の実況見分を実施したところ,上記住人方の玄関ドア下の通路上に液状の精液様のたまりを発見し,専用綿棒を使って本件資料を採取した。
(2)捜査段階で,大阪府警察本部刑事部科学捜査研究所が実施した鑑定(以下「科捜研鑑定」という。)では,本件資料が付着した綿球部分から1か所を切り取り,精液検査により,多数の精子を認めた一方,精子以外の特異な細胞が見当たらず,また,STR型検査等により検出された15座位のSTR型とアメロゲニン型が被告人の口腔内細胞のものと一致した。
(3)鈴木鑑定は,本件資料が付着した綿球部分から2か所を切り取り,科捜研鑑定とは別のキットを使って抽出した3つのDNA試料液について,STR型検査等を実施したところ,それぞれ14座位のSTR型とアメロゲニン型が科捜研鑑定と一致したものの,1座位で,科捜研鑑定と合致する2つのSTR型に加え,これ
と異なる3つ目のSTR型を検出した。これについて,鈴木鑑定は,15座位のSTR型の検出状況等から,本件資料は1人分のDNAに由来し,被告人のDNA型と一致する,上記1座位で検出された3つ目のSTR型は,男性生殖細胞の突然変異に起因すると考えられ,他者のDNAの混在ではない,とした。 2原判決は,一般には,資料が1人分のDNAに由来すれば,1座位(以下略)

(PDF)
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/734/087734_hanrei.pdf (裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail7?id=87734