【下級裁判所事件:補償協定上の地位確認請求控訴事件/ 阪高裁2民/平30・3・28/平29(ネ)1602】結果:その他

要旨(by裁判所):
1水俣病患者団体と控訴人(チッソ株式会社)との間で昭和48年7月9日に締結された水俣病補償協定は,控訴人が補償義務を負う損害の範囲を明らかにし,補償の履行の方法を定め,「協定締結以降認定された患者についても希望する者には適用する」との定めを置いているものの,患者が,認定を受けていない時点で,控訴人を被告として,水俣病の健康被害に係る損害の賠償を求める訴訟を提起し,確定判決が認定した損害の賠償を受け終えた場合にまで補償することを予定して締結されたとは解されない。
2被控訴人らの被相続人は,平成16年10月15日確定(当時未認定患者)の判決により,控訴人に対し,水俣病の健康被害に基づく損害賠償債権を有するとされ,当該賠償金の支払を受けた後に水俣病認定を受けた者であるから,たとえ,上記協定が定める補償額が,確定判決の認定した損害賠償金額より高額であるとしても,上記協定の適用を受けられる者には当たらない。

(PDF)
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/781/087781_hanrei.pdf (裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail4?id=87781