(【下級裁判所事件:大飯原発3,4号機運転差止請求控訴事 件/名古屋高裁金沢支1/平30・7・4/平26(ネ)126】原告:Aほか182名 被告:関西電力(株))

事案の概要(by Bot):
本件は,1審被告が福井県大飯郡おおい町大島1字吉見1−1に設置する原子力発電所である大飯発電所の3号機及び4号機(以下「本件発電所」という)について,福井県を中心に北海道から沖縄まで全国各地に居住する1審。原告らが,その稼動により1審原告らの生命,身体が重大な危害にさらされるおそれがあり,また,快適な環境を享受することができなくなるなどと主張して,1審被告に対し,人格権又は環境権に基づく妨害予防請求として,本件発電所の運転差止めを求めた事案である。
2原審は,原子力発電所に求められる安全性や信頼性は極めて高度なものでなければならず,生命を守り生活を維持する利益は人格権の中でも根幹をなす根源的な権利であることや,東北地方太平洋沖地震に伴う福島第一原子力発電所の事故を通じて明らかとなった原子力発電の危険性及びそのもたらす被害の大きさからすれば,本件発電所において,このような事態を招く具体的危険性が万が一にもあるのかが判断の対象とされるべきであるところ,本件発電所は,1審被告の策定した基準地震動やクリフエッジとされたレベルを超える地震動に襲われる危険があり,その場合,冷却機能が喪失し炉心損傷を経てメルトダウンが発生し,大量の放射性物質が施設外に拡散する危険性が極めて高く,しかも,その危険性は基準地震動に満たない地震動によっても生じ得ることに加え,使用済核燃料の保管施設の冷却設備が損壊し,堅固な設備によって閉じ込められていない使用済核燃料の放射性物質が外部に放出される危険があって,このように地震の際の冷やす機能と閉じ込める構造に欠陥があるといえ,その具体的危険性を軽減する適切で有効な手段は本件発電所の運転を差し止めることであるが,本件発電所の運転によってその人格権が侵害される具体的な危険があるのは本件発電所から250圏内に居住する者に限られると判(以下略)

(PDF)
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/868/087868_hanrei.pdf (裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail4?id=87868