【下級裁判所事件:福岡県迷惑行為防止条例違反被告事件 /福岡地裁/平30・9・7/平29(わ)1100】

主文(by Bot):
被告人は無罪。
理由
1本件公訴事実とこれに対する被告人・弁護人の認否
本件公訴事実は,「被告人は,正当な理由がないのに,平成29年4月21日午後4時8分ころ,福岡市a区bc丁目d番e号の甲株式会社乙店3階丙店において,A(当時24歳)に対し,同人のワンピース内の下着を撮影する目的で,その背後から同人着用のワンピース下方に,動画撮影機能を起動させた携帯電話機を差し入れ,もって公共の場所において,人を著しく羞恥させ,かつ,人に不安を覚えさせるような方法で,写真機等を他人の身体に向けた。」というものであるが,被告人は,公訴事実記載の日時場所にいたことは間違いないものの,Aのワンピース下方に携帯電話機を差し入れていないと述べており,弁護人は,被告人の述べる事実関係を前提として,福岡県迷惑行為防止条例違反の罪は成立せず,無罪である旨主張している。なお,福岡県迷惑行為防止条例は,公衆の目に触れるような場所において,人を著しく羞恥させ,又は人に不安を覚えさせるような方法で,通常衣服で隠されている他人の身体又は他人が着用している下着をビデオカメラ等の機器で撮影する目的で,ビデオカメラ等を設置し,又は他人の身体に向けることを禁止している(同条例6条2項2号)。そこで,本件においては,平成29年4月21日午後4時8分ころ,被告人が,Aのワンピース下方に動画撮影機能を起動させた携帯電話機を差し入れたかどうかが争点である。 2前提事実
証拠によれば,以下の事実が容易に認められ,当事者間も争っていない。
?被告人は,平成29年4月21日(以下,日付を明示しない場合,平成29年4月21日のことを指す。),本件公訴事実記載の乙店を訪れ,一方,Aも,同日,乙店を訪 れた。その当時,Aは,膝上あたりまで丈のある花柄のワンピースを着用し,その上にベージュのパーカーを羽織り,ベージュのニット帽を身に(以下略)

(PDF)
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/036/088036_hanrei.pdf (裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail4?id=88036