【下級裁判所事件:未払賃金等支払請求控訴事件/大阪高 14民/平30・12・21/平30(ネ)1406】

要旨(by裁判所):
1皆勤手当の趣旨を踏まえると,乗務員(トラック運転手)の主な業務において,契約社員(有期契約労働者)と正社員(無期契約労働者)との間で業務及び同業務に伴う責任の程度において異なるところはないことなどから,契約社員と正社員の皆勤手当の支給における相違は,労働契約法20条に定める考慮要素に照らし不合理と認められるものに当たるから,被控訴人は,民法709条に基づき,平成25年4月1日から平成27年11月30日までの32か月にわたって契約社員である控訴人に皆勤手当(月額1万円)を支給しなかったことにより,控訴人に生じた損害32万円を賠償すべき責任を負うとされた事例
2契約社員について,遅刻及び当日欠勤のないことを考慮して翌年の時給の増額がなされ得る評価制度がとられているとしても,これよる時給増額がわずかの金額であるなど判示の事情の下においては,同制度をもって契約社員に皆勤手当を支給しないことの合理的な代償措置と位置付けることはできないとされた事例
3正社員について,不出勤をしても事後に年次有給休暇取得の届出をすれば皆勤手当の支給要件を充たすものとする取扱いがされている場合,契約社員についても同様に皆勤手当の支給がされ得たものとして上記損害を認定すべきとされた事例
4上記2の評価制度の下では,時給の増額分を損害から控除することはできないとされた事例

(PDF)
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/373/088373_hanrei.pdf (裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail4?id=88373