事案の概要(by Bot):
1本件の事案の要旨は,原判決「事実及び理由」中の「第2事案の概要」柱書きのとおりであるから,これを引用する。原審は,控訴人の請求を棄却する旨の判決をしたところ,控訴人が,これを不服として,前記第1の判決を求めて控訴した。
2関係法令の定め,前提事実,争点及び争点に関する当事者の主張は,次の3で当審における当事者の補充主張を付加するほかは,原判決「事実及び理由」中の「第2事案の概要」1ないし4に記載のとおりであるから,これを引用する。ただし,原判決5頁20行目の「朝鮮人男性」を「朝鮮族の中国人男性」と改める。3当審における当事者の補充主張?控訴人の主張ア控訴人は,中国残留邦人等に該当する。
控訴人のように母親が日本人の非嫡出子である場合は出生時に日本国籍を取得しており,母親とともに本邦に帰国する可能性は決して低くはないから,母子ともに本邦へ帰国する権利を有し,国はそれを保護する義務を負っていた。控訴人の母親であるP1は本邦に帰国しており,控訴人が帰国できなかったのは,P1が控訴人を養育できず,仕方なく中国人の養父母に預けざるを得なかったからであり,このような混乱がなければ,控訴人もP1とともに本邦に帰国していた可能性が高い。法や規則は,「準ずる者」を中国残留邦人等に含めており,控訴人のように,母親が日本人で,非嫡出子として出生し,日本国籍を取得した者を明確に中国残留邦人等から排除しているわけではない。中国人養父母に預けられて孤児となり,中国では日本人の子として攻撃,差別され,実親を捜し求めてこの上ない苦労をした控訴人のような者こそ,法が意図する救済を最も必要としていることは明らかであり,法13条にいう中国残留邦人等に準ずる者として,一時金の支給対象となると考えるべきである。イ仮に,法や規則が控訴人を支援の対象にすることはできないという場合,同じ日本国(以下略)
(PDF)
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/374/088374_hanrei.pdf (裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail5?id=88374