【下級裁判所事件:薬事法違反/東京高裁8刑/平30・11・19/ 29(う)974】結果:棄却

裁判所の判断(by Bot):

1はじめに
?用語関係
本件の主要な争点は,本法66条1項が規制している虚偽又は誇大な記事の「広告」,「記述」,「流布」は,「広告」以外も広義の広告(条文上の「広告」を含む,それよりも広い意味での広告)に当たるもののみを指すのか,あるいはそのような限定はないのかという点である。
この争点の関係で,原判決が,広義の広告の実質的な意味を「顧客を誘引するための手段として広く世間に告げ知らせる行為」であるとしている点は,基本的に是認できるが(本法66条1項の広義の広告の要件は,後記のとおり,原判決とはやや異なるものを相当と判断した。),本判決では,そのような手段を「顧客誘引手段」といい,その手段としての性質を「顧客誘引手段性」又は「誘引手段性」などということにする(以上の趣旨で,所論についても,適宜言い換えをする。)。また,原判決が,本法の関係で,顧客誘引手段を「情報受領者の購入意欲(処方薬に関しては,医師の処方意欲を含む。)を喚起・昂進させる手段」と言い換えている点は是認できるが,これについても前同様の簡略な表現を用いることとする。 ?本判決の骨子
我が国における医薬品等の広告等の規制をめぐる立法の沿革,立法時の国会での法案審議の内容,立法関係者の解説,本法66条を含む本法第8章の章名,本件以前に長年にわたって続いていた所管官庁の対応等を含む法の実際の運用,学問の自由との関係などからすると,本法66条1項は,広義の広告を規制する趣旨と解するのが相当というべきである。また,上記広義の広告といえるのは,次の3要件を満たすものと解すべきである。[認知性]不特定又は多数の者に告知する(予定を含む。)ものであること。[特定性]告知の中で当該医薬品等が特定されていること。[誘引手段性]顧客誘引の手段となっていること。そして,については,(a)[客観的誘引手段性(以下略)

(PDF)
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/420/088420_hanrei.pdf (裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail4?id=88420