【下級裁判所事件/東京高裁/平30・10・24/平28(ネ)3783】

事案の概要(by Bot):
1本件は,治安維持法の施行下で,神奈川県警特高が,「泊会議」において共産党再建計画の謀議が行われた等のストーリーに基づいて,亡甲1及び亡乙1を含む多数の関係者を同法違反の嫌疑で検挙し,拷問等による苛烈な取調べを行ったという,いわゆる横浜事件に関する国家賠償請求事件である。なお,甲1及び乙1に対する治安維持法違反被告事件は,執行猶予付き有罪判決の言渡しがされ確定したが(本件確定判決),その後の治安維持法の廃止及び大赦を経て,第三次再審請求に基づいて再審が開始され,免訴判決が言い渡された。
2本件請求は,甲1の妻である第1審原告甲2及び乙1の長女である第1審原告乙2が,公務員の以下の違法行為を主張して,第1審被告に対し,甲1及び乙1からそれぞれ相続した国家賠償法又は不法行為による損害賠償請求権に基づき,各6900万円(ただし,後述のとおり当審において請求の減縮がされている。)及び遅延損害金の支払を求めるものである。 (1)特高警察官が事件をねつ造して甲1及び乙1を検挙し,拷問等による違法な取調べを行った行為(争点1−関係)
(2)甲1及び乙1に対する治安維持法違反被告事件が,拷問による虚偽の自白の上に成り立つ虚構であることを認識し得たのに,検察官による起訴,予審判事による予審終結決定,判事による有罪判決が行われた行為,裁判所又は裁判所検事局関係者が,訴訟記録の保存規程に反して,判決原本を含む関係5書類を焼却した行為(争点1−関係) (3)第一次再審請求を担当した裁判官が,訴訟記録が存在しないことを理由に請求を違法に棄却した行為(争点1−関係)
(4)第三次再審請求に係る再審公判を担当した裁判官が,無罪判決ではなく免訴判決をした行為(争点1−関係)
3原判決は,第1審原告らの請求を全部棄却したことから,(以下略)

(PDF)
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/421/088421_hanrei.pdf (裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail4?id=88421