【下級裁判所事件:建造物侵入,窃盗,特殊開錠用具の所 持の禁止等に関する法律違反被告事件/東京高裁3刑/平30・9・5/ 30(う)540】結果:棄却

裁判所の判断(by Bot):

原裁判所が判断の基礎とした事実の認定については,おおむね経験則等に照らして不合理なところはなく,本件紙片の領置に至る一連の捜査手続に違法はないとしてその証拠能力を認めて証拠調べをし犯罪事実の認定に用いた原裁判所の訴訟手続に法令違反はない。以下,弁護人の主張を踏まえて補足して説明する。
(1)本件マンションにおけるごみの取扱いについて,原審証拠によれば,本件マンションには,各階にゴミステーションがあり,地下1階にごみ置場が設けられており,そのごみ処理は管理組合の業務とされ,管理組合はマンション管理会社に対しごみの回収・搬出等の清掃業務を含む本件マンションの管理業務を委託し,そのうち清掃業務については,そのマンション管理会社から委託を受けた清掃会社が行っていたこと,本件マンションでは,居住者が各階のゴミステーションにごみを捨て,これを上記清掃会社の清掃員が各階から集めて地下1階のごみ置場に下ろすなどして,ごみの回収・搬出作業を行っていたことが認められる。このような本件マンションにおけるごみの取扱いからすると,居住者等は,回収・搬出してもらうために不要物としてごみを各階のゴミステーションに捨てているのであり,当該ごみの占有は,遅くとも清掃会社が各階のゴミステーションから回収した時点で,ごみを捨てた者から,本件マンションのごみ処理を業務内容としている管理組合,その委託を受けたマンション管理会社及び更にその委託を受けた清掃会社に移転し,重畳的に占有しているものと解される。このことを踏まえて,本件紙片を領置するに至った捜査過程について見ると,原審証拠によれば,平成25年10月頃から警視庁管内で会社事務所を狙った侵入窃盗事件が多発し始め,警察が捜査していたところ,翌年に中野警察署管内で発生し た侵入窃盗事件について,手口から容疑者として被告人が浮上し,被告人(以下略)

(PDF)
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/447/088447_hanrei.pdf (裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail4?id=88447