【下級裁判所事件:覚せい剤取締法違反被告事件/大阪高 /平31・3・27/平31(う)53】結果:破棄自判

裁判所の判断(by Bot):

原判決の前記認定及び判断のうち,被告人が本件覚せい剤使用当時,解離性同一性障害,覚醒剤精神病及び覚醒剤使用障害に罹患していたと認定した点(前記)は是認できるが,その余の甲意見を採用せず,被告人の完全責任能力を認めた点は是認できない。その理由は,以下のとおりである。

甲意見について
ア甲医師は,解離性同一性障害の知識や臨床経験を有し,その経歴や経験等に照らし,本件覚せい剤使用時の被告人の精神状態について専門的知見を述べる証人として十分な資質を備えている。もっとも,甲医師は,原審弁護人の依頼により,本件時の被告人の精神状態について私的鑑定を行ったものであるから,正式鑑定と比べると,鑑定資料等の面で一定の制約があったことは否めない(その意味では,訴訟手続の法令違反の論旨にもあるように,本件では正式鑑定を実施した方が良かったといえる。)。しかし,甲医師は,被告人の捜査段階及び原審公判廷における供述内容を供述調書等の記録に基づいて検討し,被告人の両親及び被告人との面接も行っているほか,不明な点は,原審弁護人を通じて被告人本人から事情を確認するなどしており,本件覚せい剤使用及びその前後の状況(被告人が,自宅のテレビ台の引き出し内に隠していた覚せい剤を取り出し,自宅トイレ内において,ガラスパイプに覚せい剤を入れ,これをあぶって使用し,残りの覚せい剤を市販の睡眠導入剤の箱に入れ,それを自分のバッグ内にガラスパイプと共に入れて保管した。)について,誤解があるとは認められない。その上で,甲医師は,被告人に嫌がらせをするようにまとわりついていた「おっちゃん」の人格が,平成29年9月頃,被告人に憑依し,覚せい剤を買えとか,使えと指示するようになり,被告人は,その指示に従って覚せい剤を密売人から買って使用するようになり,「おっちゃん」に殴られたり蹴られたりするという体(以下略)

(PDF)
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/634/088634_hanrei.pdf (裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail4?id=88634