【下級裁判所事件/大阪地裁13刑/平31・3・14/平29(わ)478】

事案の概要(by Bot):
本件は,被告人が,平成26年3月に,身分証や金品を奪う目的で小中学校の同級生であるAを殺害して,源泉徴収票やクレジットカード等を奪った強盗殺人の事案と,被告人が,その後,A名義のクレジットカードを使って3件の詐欺などを行った事案である。
2弁護人は,各公訴事実は争わないとした上で,被告人の責任能力を争っている(詳しくは後記)。被告人も各公訴事実を争わない旨の弁護人の意見に同調して公判審理が始められたが,被告人は被告人質問において,犯行の記憶がない旨述べ,自らの犯行ではないと思うという趣旨の供述も行った(なお,公判前整理手続の結果として公判期日で報告されたが,公判前の証拠の整理や争点の整理の結果,被告人に犯行の記憶がほとんどないことを前提に,各公訴事実に争いがないことが確認されている。)。被告人の精神状態に関しては,各事件が起訴された後の,平成30年2月以降,被告人の精神鑑定が行われており,鑑定人のJ医師(以下「鑑定人」という。)は,被告人が本件当時解離性同一性障害の精神障害を有していたとの見解を述べている。
3各犯行は,平成26年3月から5月に行われているところ,被告人は,各犯行後の平成26年5月に,A名義のパスポートを使って中国に渡航した。その後,被告人は,平成26年7月4日に在上海日本領事館に出頭し,中国で身柄を拘束されていたが,平成29年1月25日,日本に引き渡されて有印私文書偽造,同行使,詐欺の事実で逮捕され,その後,強盗殺人事件に関する取調べも受けた。
4検察官は,平成29年3月19日以降に作成された被告人の供述調書に強盗殺人の犯行の経緯や犯行状況が記載されており,これらの調書の内容は信用でき,犯行の経緯等を考察すると,各犯行当時の被告人の責任能力は,著しく低下してはおらず,完全責任能力であったと主張する。弁護人は,平成(以下略)

(PDF)
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/651/088651_hanrei.pdf (裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail4?id=88651