【下級裁判所事件:殺人/東京高裁4刑/平31・4・25/平30(う)22 00】結果:棄却

事案の概要(by Bot):
1本件は,被告人が,平成28年12月29日,自宅で,同年10月24日生まれの長女(以下「被害児」という。)に対し,殺意をもって,劇薬指定されたアムロジピン及びメトホルミンの成分を含有する薬剤(以下,併せて「本件薬剤」という。)を投与し,同日,薬物中毒により死亡させたとして,殺人罪に問われた事案である。 2本件控訴の趣意は,理由不備,理由齟齬,事実誤認及び量刑不当の主張である。
第2理由不備及び理由齟齬の主張について
論旨は,要するに,原判決には,アムロジピン等が具体的にどのように作用して被害児を死亡させたのかを明らかにしていないなどの点で,理由不備の違法があり,また,被害児の死亡推定時刻についての認定と本件当日の被告人及び家族の行動についての認定が齟齬しているなどの点で,理由齟齬の違法がある,という。しかし,刑訴法378条4号にいう理由不備とは,同法44条1項,335条1項によって要求される判決の理由の全部又は重要な部分を欠く場合をいい,理由齟齬とは,判決の主文と理由との間又は理由相互の間に食い違いがあり,その食い違いが理由不備と同程度に重大である場合をいうと解すべきところ,原判決に,このような理由不備及び理由齟齬がないことは明らかである。理由不備及び理由齟齬の論旨は,いずれも理由がない。 第3事実誤認の主張について
1論旨は,要するに,原判決は,被告人が殺意をもって被害児に本件薬剤を投与し,その薬物中毒により死亡させたとして,被告人に殺人罪の成立を認めたが,被害児の死因は本件薬剤による薬物中毒ではなく,被告人は故意に本件薬剤を被害児に投与していないので,被告人は無罪であるから,原判決には判決に影響を及ぼすことが明らかな事実誤認がある,という。2原判決の判断の要旨原判決は,要旨,以下のとおり各争点に沿って説示し,被告人に殺人罪の成立を(以下略)

(PDF)
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/722/088722_hanrei.pdf (裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail4?id=88722