【下級裁判所事件:殺人,殺人未遂/東京高裁10刑/令和元 5・20/平29(う)1482】結果:破棄自判

事案の概要(by Bot):
1原判決が認定した犯行に至る経緯及び罪となるべき事実の要旨は,以下のとおりである。
被告人は,平成28年3月(以下,平成28年の記載については省略する。),当時勤務していた会社の同僚との間に生じた仕事上のトラブルを契機として,その精神状態を急激に悪化させ,4月13日には同僚が自分の悪口を言っているという被害妄想をもつようになり,その後,被告人の被害妄想の対象は拡大していき,会社の周囲の人間が敵であり,会社内でいじめに遭っているという妄想をもつに至った。そのため,被告人は,退職したいと考えて上司に申し出たものの,上司からはとりあえず休職するよう指示され,別の部署への異動もすぐにはできないと告げられたことから,逃げ道がないと感じて自殺を考えた。そして,自分一人で死ぬと,会社内でのいじめを家族に知られて恥ずかしいと思ったことや,自分の死後,会社から家族に損害賠償が請求されるなど,迷惑が掛かるのではないかと考えたことなどから,家族を殺害することを決意した。被告人は,浜松市I同日午前3時頃までの間に,祖母であるA(当時83歳)に対し,殺意をもって,その左胸部及び背部等を持っていたサバイバルナイフ(刃体の長さ
2約23cm,以下「本件ナイフ」という。)で突き刺して背部刺切損傷等の傷害を負わせ,同人を同傷害に基づく左血気胸により失血死させ(原判示第1)その頃,姉であるB(当時32歳)に対し,殺意をもって,その右側胸部及び右肩背部を本件ナイフで突き刺して右肩背部刺切損傷等の傷害を負わせ,同人を同傷害に基づく右血気胸により失血死させ(同第2)母親であるC(当時62歳)に対し,殺意をもって,その前胸部を本件ナイフで突き刺して心臓刺切の傷害を負わせ,同人を同傷害により失血死させ(同第3)父親であるD(当時60歳)に対し,殺意をもって,(以下略)

(PDF)
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/738/088738_hanrei.pdf (裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail4?id=88738