【下級裁判所事件:収賄/東京高裁6刑/令元・8・8/平31(う)74 0】結果:棄却

裁判所の判断(by Bot):

原判決の上記量刑判断は相当であって,当裁判所としても是認できる。
ア所論は,被告人は,捜査段階や原審公判において,賄賂性を明白に認めていたにもかかわらず,原判決は,被告人の悪質性を過度に強調するために,被告人が賄賂性の認識を否認し続けていると曲解して認定し,これを前提に量刑判断をした,という。しかし,については,被告人は,捜査段階において,賄賂性の認識を認める供述をし,原審第1回公判期日の罪状認否においても,本件公訴事実を認める旨の供述をする一方で,原審公判における被告人質問においては,仲介業者を介して受領した現金合計1000万円について,仲介業者が本件土地売買に関して行った媒介業務の対価としてB社から得た利益の一部を,仲介業者の実質的経営者であるDに対する貸付金の返済として受領したというのが本件当時の認識であったなどとし,賄賂性の認識がなかったかのような供述をしたことから,原判決は,本件当時,被告人が賄賂性の認識を有していたと認定したことについて補足説明を加えたものである。被告人のそのような供述状況を踏まえれば,原判決は誠に的確に説明を加えたものであって,被告人が賄賂性を明
白に認めていたとする所論は失当というほかない。他方で,原判決が,量刑の理由においては,被告人が収賄の事実自体は認めるなどして反省の態度を示していると説示しているところからすると,被告人が捜査段階や原審第1回公判期日の罪状認否では本件を認めていたことを踏まえて,被告人に反省の態度があることを量刑上有利な事情として考慮していることが明らかであって,このことからすると,賄賂性の認識に補足説明を加えたのは,被告人の供述状況を踏まえて,念のためにしたものと理解できるから,原判決において,被告人が賄賂性の認識を否認し続けていると曲解したとする所論も失当である。 イ次に(以下略)

(PDF)
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/946/088946_hanrei.pdf (裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail4?id=88946