【下級裁判所事件:被告人aに対する殺人,死体遺棄,被 人bに対する殺人幇助,死体遺棄/東京高裁12刑/令元・12・10/令1 (う)1251】結果:破棄自判

裁判所の判断(by Bot):

?原判決が懲役7年の刑を選択した理由は,被告人bの犯情が幇助犯の中では最大限の非難に値するというところにあり,最大限の非難に値するという評価は,被告人bの正犯行為に対する加功の程度が高いこと,及び,幇助行為に及んだ理由に酌量の余地がないことに基づいている。そして,原判決が認定した加功状況とは,上記のとおり,被告人aが実際に殺害行為に及ぶ可能性が高いことを認識しつつ,それを前提として行動していたこと,犯行を手助けした程度が極めて大きいことである。また,幇助行為に及んだ理由については,被告人aの依頼に応えたいとの心情とは別に,被害者殺害を容認する個人的な動機があったこともあり,悪感情を抱いていた被害者の殺害を積極的に手助けしたと認定し,d家の利益を優先する被告人bの考え方は自己中心的で酌量の余地がないというものである。
?このうち,上記の「犯行を手助けした程度が極めて大きいこと」については,原判決が説示するように,被告人bが行った幇助行為のうち,死体を埋める場所の提案及び提供は,行方不明を装った本件殺害計画を実行する上で不可欠な行為であった。死体を埋める場所がなかなか見つからなかった状況下で被告人bの提案により一気に本件殺害計画が現実化していったのである。加えて,被告人bは,死体を埋める穴を掘る道具の調達や現実に穴を掘る作業もしている。殺害と死体遺棄が表裏一体の関係にある本件殺人において,被告人bの上記幇助行為が被告人aによる殺人の実行に向け,精神的にも物理的にも大きな支援となったことは明らかである。被告人bの幇助行為が被害者殺害の計画立案上障害となっていた点を解決するなど,犯行を手助けした程度が極めて大きいと指摘する原判決に誤りはない。 ?上記の「被告人aが実際に殺害行為に及ぶ可能性が高いことを認識しつつ,それを前提として行動し(以下略)

(PDF)
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/141/089141_hanrei.pdf (裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail4?id=89141