【下級裁判所事件:殺人,殺人未遂,傷害/東京高裁10刑/ 元・12・17/平31(う)21】結果:破棄差戻

事案の概要(by Bot):
1本件は,被告人が,勤務先である千葉県印西市所在の老人ホーム(以下「本件老人ホーム」という。)の同僚であるA(当時60歳)に睡眠導入剤を密かに摂取させることにより,Aに意識障害等を伴う急性薬物中毒の症状を生じさせ,自動車を運転して帰宅するAがこれに基づく仮睡状態等に陥り交通事故を惹起してAや事故に巻き込まれた第三者らが死亡することもやむを得ないと考え,平成29年2月5日午後0時頃から同日午後1時頃までの間に,本件老人ホーム事務室において,睡眠導入剤数錠を密かに混入したコーヒーを提供してAに飲ませ,意識障害等を伴う急性薬物中毒の症状を生じさせた上,普通乗用自動車を運転したAがこれに基づく仮睡状態等に陥り同日午後3時40分頃に本件老人ホーム従業員駐車場から約100mの地点の道路において同車を鉄パイプ柵に衝突させる事故を惹起したことなどを知って,その後Aが運転を再開する場合には,その急性薬物中毒の症状が完全に消失しない限り,再び交通事故を惹起してAや事故に巻き込まれた第三者らが死亡するかもしれないことを認識しながら,上記事務室で休んでいたAに対し,同車が走行可能であることを告げてAを起こして,同車を運転して帰宅するよう仕向けることにより,同日午後5時30分頃,同車を運転し同市内の道路を進行中のAを,その急性薬物中毒に基づく仮睡状態等に陥らせて,同車を対向車線に進出させ,進路前方を対向進行してきたB(当時27歳)運転の普通貨物自動車に上記A運転車両を衝突させ,Aに胸部下行大動脈完全離断等の傷害を負わせ,よって,千葉県内の病院において同人を同傷害に基
づく失血により死亡させるとともに,Bに全治約10日間を要する左胸部打撲の傷害を負わせるにとどまり,殺害するに至らず(原判示第1),上記の経緯によりAが死亡した事(以下略)

(PDF)
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/156/089156_hanrei.pdf (裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail4?id=89156