事案の概要(by Bot):
被告の職員である原告は,京都市の児童相談所に勤務していた平成27年3月及び10月,京都市内の児童養護施設で起きたと疑われる被措置児童虐待の不祥事について,同児童相談所が適切な対応を採っていなかったとの認識を有したことから,これを問題視し,京都市の公益通報処理窓口に対して二度にわたり,いわゆる公益通報を行った。原告は,同年12月4日,上記の各公益通報の前後の時期に行ったとされる各行為,すなわち,?勤務時間中に,上記虐待を受けたとされる児童と●●★の児童記録データ等を繰り返し閲覧した行為,?上記虐待を受けたとされる児童の★の児童記録データを出力して複数枚複写し,そのうちの1枚を自宅へ持ち出した上に無断で廃棄した行為,?職場の新年会及び組合交渉の場で,上記虐待を受けたとされる児童の個人情報を含む内容を発言した行為について,地方公務員法29条1項各号所定の事由(以下「懲戒事由」という。)に該当するものとして,京都市長から,停職3日の懲戒処分(以下「本件懲戒処分」という。)を受けた。本件は,本件懲戒処分を不服とする原告が,上記の各内部通報の前後の時期に行ったとされる上記各行為は,事実と異なる部分があることに加え,上記被措置児童虐待の不祥事に対する上記児童相談所の対応が不適切であるとの問題意識に基づき行った正当な行為として懲戒事由にそもそも該当しないと主張するほか,また,仮に懲戒事由に該当するとしても,原告による上記各行為の目的の正当性や,本件懲戒処分が結論ありきで行われたこと,他の事例との比較において重きに失すること,手続の適正の欠如などを考慮すれば,京都市長が行った本件懲戒処分には裁量権を逸脱又は濫用した違法があるなどと主張して,本件懲戒処分の取消しを求める事案である。
(PDF)
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/163/089163_hanrei.pdf (裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail4?id=89163