【下級裁判所事件:司法修習生の給費制廃止違憲国家賠償 等請求控訴事件/名古屋高裁/令元・5・30/平30(行コ)5】

本件は,平成16年改正前裁判所法67条2項により定められていた給費制が廃止されたことについて,平成23年11月に司法修習生を命じられ,平成24年12月に司法修習を終えた控訴人らが,被控訴人に対し,主位的には,平成16年改正は,控訴人らの給費を受ける権利を保障した憲法の規定に違反し又は平等原則に違反するものであるから違憲無効であるなどと主張して,平成16年改正前裁判所法67条2項の給費支払請求権に基づき,控訴人らそれぞれにつき,給与237万4080円のうち5000円の各支払を求めるとともに,平成16年改正という立法行為及び平成16年改正後に給費制を復活させなかった立法不作為が国家賠償法上違法であると主張して,同法1条1項に基づき,控訴人らそれぞれにつき,損害賠償金337万4080円のうち5000円の各支払を求め,予備的には,司法修習生がその修習に従事することは憲法29条3項の「公共のために用ひる」ことに該当するなどと主張して,同項の損失補償請求権に基づき,控訴人らそれぞれにつき,平成16年改正前に支給されていた給与相当額237万4080円のうち1万円の各支払を求めた事案である。
原判決が控訴人らの請求をいずれも棄却したため,これを不服とする控訴人らが控訴した。控訴人らは,当審において,平成29年法律第23号(平成29年改正法)による裁判所法改正において救済立法がされなかったことによって新たな権利侵害がされたことなどを追加主張している。
なお,原審においては,控訴人ら(37名)に加え,C,D,E,F,G,H,I及びJの8名が共同原告として,控訴人らと同様の請求をしていたところ,原判決は上記8名の請求をいずれも棄却したが,上記8名は控訴しなかったため,これらの者と被控訴人との間では,原判決が確定している。

(PDF)
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/387/089387_hanrei.pdf (裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail4?id=89387