【下級裁判所事件:法人税更正処分等取消請求事件/東京 裁/令2・3・11/平28(行ウ)395】

内国法人である原告は,米国法人との間で,医薬品用化合物の共同開発等を行うジョイントベンチャー(以下「本件JV」という。)を形成する契約を締結し,同契約に基づき,英国領ケイマン諸島(以下「ケイマン」という。)において,特例有限責任パートナーシップであるCILPを設立し,そのパートナーシップ持分を保有していたが,その後の本件JVの枠組みの変更に際し,平成24年10月31日,上記CILPのパートナーシップ持分全部を原告の英国完全子会社に対し,現物出資(以下「本件現物出資」という。)により移転した。
原告は,本件現物出資が法人税法(平成28年法律第15号による改正前のもの。以下同じ。)2条12号の14に規定する適格現物出資に該当し,同法62条の4第1項の規定によりその譲渡益の計上が繰り延べられるとして,平成24年4月1日から平成25年3月31日までの事業年度及び課税事業年度(以下「平成25年3月期」という。)の法人税及び復興特別法人税(以下「法人税等」という。)につき確定申告をし,同確定申告に係る繰越欠損金の額を前提として,平成25年4月1日から平成26年3月31日までの事業年度及び課税事業年度(以下「平成26年3月期」という。)の法人税等につき確定申告をしたところ,東税務署長から本件現物出資が適格現物出資に該当しないことなどを理由に平成25年3月期の法人税等につき各更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分を受けたため,平成26年3月期の法人税等について,上記各更正処分による繰越欠損金の額の減少等を前提に修正申告をした上で更正の請求をしたが,東税務署長から更正をすべき理由がない旨の各通知処分を受けた。
本件は,原告が,本件現物出資は,法人税法施行令(平成28年政令第146号による改正前のもの。以下「施行令」という。)4条の3第9項に規定する「国内にある事業所に属する資産」を外国法人に移転するものではなく,適格現物出資に該当すると主張して,上記各更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分(ただし,その後の更正処分及び変更決定処分による減額後のもの。以下「本件各更正処分等」という。)並びに上記各通知処分(以下「本件各通知処分」といい,本件各更正処分等と併せて「本件各処分」という。)の各取消し(各更正処分については,本件現物出資が適格現物出資に該当するとの原告の主張に反する部分の取消し)を求める事案である。

(PDF)
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/446/089446_hanrei.pdf (裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail4?id=89446