【下級裁判所事件:受託収賄/福岡地裁小倉支2刑/令2・2・2 1/令1(わ)692】

概要(by Bot):
本件は,県立高校教諭でサッカー部顧問を務めていた被告人が,中学生の保護者から飲食接待を受けるなどした上で,生徒の実績等に関わらず,その中学生をスポーツ推薦の候補者として推薦し,そのような行為の謝礼として保護者から商品券を受け取るなどしたものであり,サッカー部顧問としての自らの権限を悪用し,推薦入学者選抜制度の公正・信頼を大きく害した悪質な犯行であり,社会的な影響も大きいといえる。被告人は,飲食接待を受けたほか,10万円分の商品券を受け取っており,賄賂の総額は13万円を超え,その額は小さいものではない。そうすると,被告人の刑事責任は軽いものではないが,他方で,先輩教諭から紹介や依頼を受けたことに端を発し,保護者の積極的な賄賂の提供に応じたという経緯があり,その経緯には一定の酌むべき事情があることに加え,被告人には前科はないこと,被告人は事実関係を素直に認め反省の弁を述べていること,被告人の妻が出廷し,今後の監督を誓約していることなどを考慮し,今回は刑の執行を猶予することとした。

(PDF)
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/452/089452_hanrei.pdf (裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail4?id=89452