裁判所の判断(by Bot)
そこで検討すると医師は被告人の面接などを行って鑑定を行っているが以下のとおりこの鑑定には鑑定の時期鑑定資料等の問題がありその診断根拠からも病的放火が犯行に直接の影響を与えた旨の医師の鑑定意見は各犯行当時の被告人の責任能力判断にあたり参考となる価値は低いといえる。すなわち1被告人の精神鑑定は原判示第2の事実で起訴された後原判示第3の事実で起訴される前に原判示第2及び原判示第3の犯行時における被告人の精神障害の有無や犯行に及ぼした影響について面接等を行った結果に基づくものでありその時点で原判示第1の犯行なお原判示第1の犯行は時系列的には原判示第2及び第3の犯行より前に行われている。に関する精神鑑定はその時点では行われていないこと2医師が面接した時点で被告人は原判示第2の犯行を否認しており医師は各犯行とは別の被告人の放火体験なども聴取して鑑定を進めた旨述べるなど主に被告人の述べる放火の繰り返しに着目した考察をしているにすぎず本件各犯行時の具体的な心理状態に着目して考察したものでないこと3医師は被告人の公判供述を踏まえて原判示第1も含めた各犯行時の被告人の精神状態等について証言しているが被告人の公判供述自体が犯行を否認するものや主観面を争うもので原判決において信6用性に疑問が示されていること4医師は病的放火が直接犯行に影響したという鑑定意見を述べているが病的放火の診断自体が放火を繰り返した事案の中で他の病気によるものを除くなどしておこなわれるもので一種の消去法で判断されるという意味で症状に幅のあり得るものであり病的放火という精神障害だけから衝動性の程度や行動の制御への影響を考察できるものではないことなお医師は病的放火の事案の精神鑑定をした経験や臨床医としてそのよう以下略
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http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/487/089487_hanrei.pdf 裁判所ウェブサイトの掲載ページ
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail4?id=89487