【特許権:審決取消請求事件(行政訴訟)/知財高裁/令2・6・ 30/平31(行ケ)10024】

理由の要旨(by Bot):

審決は,本件発明1についての原告の無効理由の主張をすべて排斥し,請求項24に係る発明についての無効理由の主張については,請求項24が請求項1を引用していることを主たる理由として排斥した。本件発明1についての原告(無効請求人)の無効理由の主張及び審決の判断は,次のとおりである。無効理由1(新規事項追加の補正要件違反)
ア通孔大きさ特定事項の追加について〔原告(無効請求人)の主張〕本件の願書に最初に添付した明細書の【0011】,【0017】,【0021】の記載によれば,酸素濃度の調整には,1通孔の大きさ,2酸素濃縮器からの空気供給流量,3ケージの容積の三つの要素が組み合わせられることが必要である旨開示されている。ところが,本件補正後の本件発明は,1を通孔大きさ特定事項にあるように限定しただけで,2及び3との技術的関連性を限定することなく,「最適であるとされる酸素濃度」が得られるとしており,本件補正は出願時明細書等の記載を逸脱する。〔審決の判断〕出願時明細書等の【0002】,【0005】,【0006】,【0011】,【0015】【0026】には,ケージに酸素濃度調整手段を必要としない小動物用酸素治療装置,が記載されており,このことは,構成A4の「前記ケージに酸素濃度調整手段を具備することなく」に相当する。また,出願時明細書等の【0021】,【0022】には,構成A3,A5及びA6並びに構成A4の「ケージ内を小動物の酸素集中治療に最適であるとされる酸素濃度に保持できるように」に相当する一実施例としての数値が「例えば」という前提付きで記載されているから,上記各構成についても出願時明細書等に開示されている。したがって,通孔大きさ特定事項を追加する補正は,新たな技術的事項を導入するものではない。 イ酸素大量事項の削除について〔原告(無効請求人)の(以下略)

(PDF)
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/555/089555_hanrei.pdf (裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail7?id=89555