事案の概要(by Bot):
1本件は,控訴人Aが所属していた東京都立Xにおいて平成21年3月24日に,控訴人Bが所属していた東京都立Yにおいて同月19日にそれぞれ挙行された卒業式の際,事前に各学校の校長から控訴人らに対して式典では国旗に向かって起立し,国歌を斉唱するようにとの職務命令(本件職務命令)が発せられていたにもかかわらず,控訴人らがそれぞれの所属校での卒業式における国歌斉唱時に着席したまま起立しなかったため,処分行政庁である東京都教育委員会(都教委)が,地方公務員法(地公法)32条及び33条に違反するとして,同月31日,同法29条1項1ないし3号に基づき,控訴人らに対してそれぞれ停職6月の懲戒処分(本件各処分)をしたところ,控訴人らにおいて,本件各処分は憲法13条,19条,23条,26条,教育基本法16条1項等に違反するなどと主張して,本件各処分の取消しを求めるとともに,本件各処分により精神的苦痛を受けたと主張して,都教委の設置者である被控訴人に対し,国家賠償法(国賠法)1条1項による損害賠償請求権に基づき,慰謝料各300万円及びこれに対する本件各処分がされた日である平成21年3月31日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求めた事案である。原審は,本件職務命令は憲法19条等の規定に違反するものでも,教育基本法16条1項に違反するものでもないなどとしたが,本件B懲戒処分については,処分の選択が重きに失するものとして社会観念上著しく妥当を欠くものであり,懲戒権者の裁量権の範囲を逸脱してされた違法なものであるとして,同処分を取り消し,本件A懲戒処分については,同処分を選択した都教委の判断は社会観念上著しく妥当を欠くものとはいえず,停職期間も裁量権の範囲内ということができ,適法(以下略)
(PDF)
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/564/089564_hanrei.pdf (裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail4?id=89564