事案の概要(by Bot):
本件は,その乳幼児期(06歳時)に集団ツベルクリン反応検査及び集団予防接種(以下,併せて「本件予防接種等」という。)を受け,B型肝炎ウイルスに感染して,慢性B型肝炎を発症した原告が,本件予防接種等を実施していた被告に対し,本件予防接種等の際,被接種者に対して同じ注射器(針又は筒。以下同じ。)が連続して使用されたことによってB型肝炎ウイルスに感染し,感染状態が一時的でなく持続的に続くこととなって(持続感染),これにより,1慢性B型肝炎を発症した上,2これが,6年以上にわたって持続した(以下「慢性肝炎の長期持続」ということがあり,1及び2の病状を併せて「本件各基礎事情」といい,それぞれ個別に「本件基礎事情1」などということがある。)と主張し,国家賠償法1条1項に基づき,本件基礎事情2に基づく損害として,1300万円(包括一律請求としての損害額1250万円及び弁護士費用50万円)及びこれに対する不法行為の後である訴状送達日の翌日(平成24年5月22日)から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求めた事案である。被告は,原告の求める損害を基礎づける病状(本件各基礎事情)について,その原因となる原告のB型肝炎ウイルス持続感染は本件予防接種等との間に因果関係がなく(請求原因の否認),また,慢性B型肝炎が6年以上にわたって持続した(本件基礎事情2)としても,それはB型肝炎ウイルス持続感染によって最初に発症した慢性B型肝炎(本件基礎事情1)の経過の一部にすぎず,したがって,本件基礎事情2に基づく損害は,慢性肝炎の長期持続が鎮静化した平成26年12月1日(原告の主張)ではなく,最初に慢性B型肝炎を発症した時点(本件基礎事情1)である昭和61年5月2日に発生しているから,当該損害賠償請求権についての除斥期間は経過した(抗弁)(以下略)
(PDF)
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/584/089584_hanrei.pdf (裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail4?id=89584