【下級裁判所事件:損害賠償請求事件/大阪地裁堺支1民/令 2・7・2/平27(ワ)1061】

要旨(by裁判所):
1在日韓国人である原告が勤める被告会社の職場において,韓国人等を誹謗中傷する旨の人種差別や民族差別を内容とする政治的見解が記載された文書等が大量に配布されたことにつき,労働契約に基づき労働者に実施する教育としては,労働者の国籍によって差別的取扱いを受けない人格的利益を具体的に侵害するおそれがあり,その態様,程度が社会的に許容できる限度を超えているとして,原告の人格的利益を侵害する違法があるとされた事例
2被告会社において,従業員に対し,都道府県教育委員会開催の教科書展示会に参加し,被告会社等が支持する教科書の採択を求めるアンケートを提出することなどを促したことにつき,業務と関連しない政治活動に当たり,労働者である原告の政治的な思想・信条の自由を侵害する差別的取扱いを伴うものであり,原告の人格的利益を侵害する違法があるとされた事例
3原告が本件訴えを提起したところ,被告会社の職場において,本件訴えを誹謗中傷する旨の従業員の感想文等が配布されたことにつき,原告の裁判を受ける権利を侵害するとともに,職場における自由な人間関係を形成する自由や名誉感情を侵害する違法があるとされた事例

(PDF)
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/711/089711_hanrei.pdf (裁判所ウェブサイトの掲載ページ)
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail4?id=89711